2009-01-01から1年間の記事一覧

未完のテクスト

ソーントン不破直子著の「ギリシアの神々とコピーライト」は、西欧における「作者」の概念の変遷を包括的にたどれる好著だ。著者は、ギリシャ古典・聖書の時代から「作者」は、神の代理であったということから説く。 ルネッサンス期以降自立した「作者」が誕…

発見された読者

バルザック、ユーゴ、ジョルジュ・サンド、ジュール・ベルヌ、ドーデ、ボードレール、ゾラ、ユイスマンスetc.…。 19世紀の編集者・出版社の経営者、さらにあわせて児童文学者だったエッツェルの生涯を語る大部の本は、その登場人物の多彩さだけでも、十分に…